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久々にブログを書くという使命感にかられた。
そう。恩師である野口嘉則氏の新刊が発売されたのだ。
これは恒例のAmazonレビューを書くしかない。


そしてAmazonに寄稿した。
いずれ埋もれてしまうのでここにも同じ内容を残しておく。
以下レビューのコピー。

『それをやるのは今しかない』

本書で著者の野口氏が何より伝えたいことは、
人間性を高めることの大切さである。

本書の内容はすべて、
「人間性を高める」という目的に沿って進んでいく。

よって、「人間性を高めたい」と思って読み進める者にとっては宝の山だが、
「何か役立つこと書いてないかなー」程度のライトな読者にとっては、
大した収穫はないだろう。

      ◆

実際、10年前に本書の単行本を手に取った私がそうであった。
今、丁寧に頭から読んでみれば、
本書の序盤でまず、「人間性を高める大切さ」は説かれていた。

しかし野口氏の語り口調が謙虚でやさしすぎる故に、
私のように気にとめず読み飛ばした読者が多くいたのではないかと察する。

単行本のレビューに目を通してみても、
低評価をつけている読者だけでなく、
高評価をつけている読者までもそのレビュー内容は拾い読み系ばかりで、
残念なことに本書の価値を最大限生かせている読者は少ないのではないかと感じた。

だからこそ私はここで改めて、本書の価値を伝えたい。
「それをやるのは今しかない」
と、実践主義の著者から本書の中で諭されたからである。

      ◆

野口氏は上杉鷹山や吉田松陰を人間性モデルとしている。
彼らの「不器用ながら誠実さを貫く」生き方を目指しているという。

「上善は水の如し」などと言って、
常に読者の上に立つことを避け、謙虚さ一徹である。

さすがコーチングのプロだけあって、
安易なティーチングはしない。

だが問題はそこにある。

この著者の一貫した姿を見て、
「自分も著者のように謙虚に…」
と思える読者は少ないだろう。

「なんだ、著者からの強いメッセージは特にないな」
「ただの名著・名言の紹介本か」
「この話は著者のブログかポッドキャストで見かけたな」
「真新しい内容ではないな」

このように受け取る読者が多いだろうと推察する。
著者のファンほどその傾向が顕著ではないだろうか。
せいぜいが、「良い話だったなー」程度のものである。

しかしあくまで本書は、
前者(人間性向上モードの読者)へ向けて書かれた内容であり、
ティーチングが必要な読者には易しくない。

じゃあどうすればいい?

      ◆

それは野口氏が本書の第一章で紹介している読書法に倣って、
正にこの本書と向き合えばいい。それだけだ。
ここだけ愚直に守れば、本書は最大限に輝きを増すことだろう。

「人間性を高める読書法」という節である。

1)「自分の人間性を高める」という目的意識をもって読む。
2)「問い」をもって読む。
3)「著者と対話する」という気構えで読む。

これは本書では、私の読書法はこんな感じですよ程度に、
やさしく語られているのだが、
ここをどう受け止めるかですべてが決まるのではないかと、
私にはそう感じられた。

      ◆

「なるほど野口氏はこんな意識をもって読書してるのかー」
 
  ↓↓↓

「なるほど本で学んだことは実践することが大事なのかー」

  ↓↓↓

「実践? いつやるか?」
「正にこの本を読んでいる、今でしょ!」

こうなればいい。

つまり、
「野口氏の推奨する読書法を、野口氏の著書に対して実践する」
ということである。

その先に「心眼力」の開眼はある。

      ◆

パッと見は拾い読みできそうな本の構成に見えるのだが、
本書の価値を最大限に高めるためには、
最初のページから順を追って読み進めていくことをおすすめする。
単行本の時には拾い読みしていた私だが、
意味があってのこの構成なのだ、と、今はそう感じられる。

      ◆

本書では、野口氏が先人たちからの教えを引用してたくさんの言葉が並べられている。
古典の言葉なのでさすが説得力があり、目に留まる。

しかし本書が私の心を強く打つのは、
その引用した古典の教えを、
本書を執筆している最中でありながらも愚直に実践している野口氏の姿、
その生き様である。

「読書をするときは著者と対話するような気持ちで…」
と言えば、今回著者側である野口氏は終始一貫して、
読者と対話するように筆を走らせ続けている。
常に読者とテーブルを挟んで座っているような距離感におり、
ステージに登壇するようなことを避けようとしている。

「文は拙をもって進み…」
と言えば、確かに野口氏は飾った表現を一切避けている。
すべてやさしい話し言葉で書かれている。
執筆家なら誰もがスマートに一番カッコつけたいはずの最初の節で、
愚直で不器用な自分をさらけ出している。

「操作主義ではなく全託して…」
と言えば、確かに読者をガイドしてくれてはいるが、
この私のレビューのような操作的な思いは本文に垣間見えず、
読者のありのままの感じ方に任せ、
そのまますべて許しているように感じられた。

本文上に並んだ言葉ではなく、
文章全体を通じて浮かび上がる野口氏の態度に着目していただきたい。
先陣を切って実践する姿が、すぐそこにあるのだ。

      ◆

本書の内容を学んだ上でこのレビューを書くのはとても畏れ多い。
謙虚さの欠落したレビューに不快感を抱く方もいらっしゃるだろうと
承知の上で書かせていただいた。

だがあえて私は、いま本書に触れようとする古今の読者の心に、
著者に代わって一石を投じたい。

どんな気持ちで、どんな目的で、いま本書を手に取り、
そのページをめくろうとしていますか? と。

      ◆

同じ景色を目の前にしても、
そこに何を見て感じるかは人それぞれ違う、と、
今回の文庫版あとがきにて野口氏は述べている。

人間性を高めていくにつれて「心の眼」が開けてくる。
それによって、人生に起きる様々な出来事の中に、
「運命を好転させる幸せ実現の因子」が見つけられるようになる。
その力のことを、
「心眼力」と呼ぶのだと。

そして「心眼力」は知識で得られるものではなく、
実践する中で磨かれていくものだと。

      ◆

伝説の灘校教師、橋本武氏の言葉を思い出した。
「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる」

本書は私にとって、自身の読書に向かう態度を改める為の、
大切な実践の第一冊目である。

      ◆

そして私は、このレビューを書く場を通じて、
本書からの学びをいくつか実践することができた。

「よかった本の学びは、48時間以内に人に話すと定着する」
「知ってから行動するのではない。知ったと同時に即実践」
「うまくやらなくていい。感じたままに行動すればいい」
「”勇気”それを使うかどうか、ただそれだけ」
「今の自分を、良いも悪いも認めてゆるす」
「それをやるのは、今しかない」

どうもありがとうございました。

by KazuFromJP | 2019-02-19 01:52 | 本に感謝の日