Dear ゴキブリ1号
さて、今日も感謝の日なのだ。
頑張って感謝するぞ。
今日は、ゴキブリ感謝の日だった。
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鈴木鎮一の『愛に生きる』を読んでいた今日未明、彼は遂にやってきた。それが、ゴキブリ1号だ。この出会いを作った運命にとりあえず感謝だ。あとそれから、感謝の日ということなので鈴木鎮一さんにもついでに、感謝しとこう。

さて、ゴキブリ1号だ。昨年10月にこの、12㎡1Kの部屋に移り住んでから早7ヶ月。こんな狭い部屋には僕一人しか住めないだろうと思っていたが、彼はいつからか、僕と同居していた。こんな僕のところに来てくれた彼のその、優しい心に感謝だ。

彼はカーテンレールと天井の中間辺りの壁に、左向きで静止していた。何だか、壁に瞳がついてるみたいだった。
「そうだ、僕が目になろう。」
記憶の泉から声が響いた。スイミーの声だ。その光景は、15年前のあの風景をフラッシュバックさせた。さすがゴキブリ1号。感謝だ。ついでに部屋の白い壁と、その壁紙を選んだ大家さんに感謝だ。

今日の話は長くは続かない。鈴木鎮一にも飽きてきて、ふとスイミーがいた位置を見上げると、その瞳が、なくなっている。ふと気がつくと、目の前の本棚の側面に静止している。それから僕は無意識的に、落ちていた昨日の夕刊を筒状に丸め、百人一首的なあの、小石が跳ねるようなその動きで確実に、彼を昇天させた。ゴキブリを見かけたら即殺す。何だか彼らにとっては不条理なその教育。ナチスのユダヤ人政策に似ているがしかし、僕の心は晴れ晴れとしていた。というわけで、その教えを僕に染み込ませた山中家(実家)に感謝だ。それから僕に、百人一首を覚えさせた愛すべき母校に、感謝だ。

そして僕はまた、一人暮らしに戻った。

「ゴキブリは一匹見たら30匹はいる。」
と、さくらももこのお姉ちゃんは言った。僕の部屋に30匹もいたら20匹は絶対に、隠れ場所に戸惑うはずだ。まあとりあえず、さくらももこのお姉ちゃんに感謝だ。

ゴキブリ2号は既に僕と、同居を始めているのだろうか。
by KazuFromJP | 2005-05-24 22:28 | 今日は感謝の日
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