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映画『降りてゆく生き方』公開5周年記念公演に、
果てしなく田んぼが広がる千葉県神崎町まで行ってきた。
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主演の武田鉄矢さん、「奇跡のリンゴ」で有名になった木村秋則さん、個人的な知人であるフィトセラピストの池田明子さんなど19名の豪華ゲスト陣が登壇されて、「降りてゆく生き方」というテーマのもとに、7時間に渡って語られた濃密な公演。

中でも個人的に一番印象に残ったのは、
「べてる家」理事である向谷地生良さんのお話。

      ◆

「べてるの家」とは、北海道浦河町にある精神障害者の活動施設で、
そこで精神障害者の方々は暮らしつつ、働き、療養している。

そして「べてるの家」は地域に根付いていて、
浦河町に住む方々も、
精神病の方々の突発的な行動に対する最低限の対処法をみな
心得ているのだそう。

突然道端で寝だす人がいても、
車に引かれないよう端に動かして、
風邪を引かないよう何かかけてあげるなど。

      ◆

たびたび「べてるの家」を訪れているという武田鉄矢さんが、
向谷地さんを差し置いて、どんな場所なのか熱く語ってくれた。

以下特に印象に残ったこといくつか羅列。

●『べてるの家』で言われてること、”勝手に治すな自分の病気”
→お医者さんとの関係だけで精神病が治ってしまったら、
 その後性格悪くなる。
 みんなの中で一緒に治せたら、
 その後性格が良くなるということらしい。

●「幻覚妄想大会」なる催しが開かれ、
 全国から毎年400人集まるらしい。
→一番感動的な妄想を言った人が勝ちとのこと。

●べてるの人に「武田さんも幻覚見るでしょ?」と言われ、
→とりあえず合わせて、
 「高3の時に坂本龍馬に会ったよ」
 と言ったら、
 「そりゃあ重症だー」
 と笑われた。

●人間、一回病気にならないと、
 本当の意味で健康にはなれないのではないか
→病気になることは不幸なことではなくて、
 それをどう活かせるかということが問題。
→「病気でもいいんだ」
 「何でも話していいんだ」
 という伸びやかさの中に、本当の健康があるのではないか。
 むしろ「人は病気になれる」ということに価値があるのではないか。

●「お前らキチガイの存在で町のみんな迷惑してるんだ!」と
 怒鳴りつけてきた近所のおばあさんがいた。
→おばあさんが去った後、
 「理解してくれない人もいるんだなあ」と武田さんが思っていると、
 隣にいた患者さんの一人が、
 「実は今、あの人が一番の重症患者なんです」
こっそりと言った。

      ◆
 
ちょうど今、個人的に認知行動療法を学んでいるせいか、
それらのエピソードがとても温かく心に響いた。

自分の心の中で起きていることに気づき、
認知する視点が持てたら、
その経過を、安心して見守ることができるようになる。

「自分の感じている世界」がこの世界の客観的真実だと信じているうちは、
幻覚や幻聴を信じて疑わないことと同じであり、
たとえ幻覚を見ていたとしても、
幻覚を見ている自分を観察する視点を得ることができたなら、
外の世界へと繋がる扉が開くのだろうなと、
そんなことを考えさせられた。

      ◆

きっと、あらゆる健康法も、
環境問題も、原発問題も、国際問題も、
働き方も、恋愛観も人生観もすべて、
自分が信じているものは他者から見たらすべて幻覚だという視点を、
常に持てるということ。

その上で、自分が信じたいものを選択すること。

そのことを、健康や感情が揺らいだときにも忘れないように、
心に留めておきたいと思った。

ありがとう。
降りてゆく生き方感謝の日。
今日は62点。

 
by KazuFromJP | 2014-06-23 13:38 | 人間学実践塾・ユング心理学など | Comments(0)