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もしあなたが 誰かに期待した
ほほえみが得られなかったら
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不愉快になる代わりに
あなたの方から 
ほほえみかけて ごらんなさい

ほほえみを忘れた人ほど
それを必要とする人は
いないのだから

『ロバート・バー「ほほえみ」より』


本屋さんに立ち寄るたびにずっと気になっていた本、
「置かれた場所で咲きなさい」をようやく手にし、
読み始めた。
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置かれた場所で咲きなさい(渡辺和子・著)


タイトルを読むだけで満足していたけれど、
ページをめくっていくと想像以上に著者の世界が強く優しく、
拡がっていた。

85歳の渡辺和子さんが書かれたこの本、
いま、とても大好きな本。

冒頭の詩は、渡辺さんが30代の頃に出合い、
それまでの自分の心と笑顔の関係に、
大きな転換をもたらされたと
本書の中で紹介されていた。

「ほほえみを忘れた人ほど、それを必要とする人はいない」
いま、僕の心にも深く刻まれた。

笑顔の素敵な人のそばにいたい。
そうじゃない人は気が合わない人だから距離を置こうと、
思ってしまいがちになる日々。
その瞬間、ひと呼吸して立ち止まって、
この言葉を、思い出す余裕をいつでも持っていたいと思った。

ありがとう。
「置かれた場所で咲きなさい」に感謝の日。
by KazuFromJP | 2012-10-26 14:08 | 本に感謝の日 | Comments(0)
「カズは、調子がいい時より、何か思い悩んでる時に、
内から出てくるカズの言葉の方が、俺は好きだよ」
以前、歳の離れた友人に言われたその言葉を、
たびたび思い出して、反芻する。
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僕の大切な人の息子さんが、先月亡くなったと聞いた。

自殺だった。
その方は何も話さなかったけれど、
最近何となく元気がないなと感じていた。

話は、奥様から話された。
何の前触れもなく、ふとした時に、唐突に。
奥様は、ひどくご自身を責められていた。
僕はただただ、その重くて痛い言葉を、
一つ、ひとつ、うなずき、受け止めていた。

どれくらいの時間が経ったのか、
奥様の内からとめどなく溢れ出てくる言葉を涙とともに流しきったあと、
初めて僕の目を見て、言葉を発された。

「ありがとう。付き合ってくれて。
少しだけ、楽になったわ」

そのときの僕の心の中は、いろんなことが急に起こったので
よくわからないじょうたいになっていた。
けれど、なんだか、よかったなと思えた。

続けて奥様が言われた。

「あなたのそのシャツの色、とってもキレイな色ね。
青じゃなくてグリーンのような、キレイなブルー。
私好きだわ。キレイな色を見ると、心がとっても安らぐの」

その日の僕は、
特に何も言わず、ただうなずいていただけ。
何の意図もなく、ただその色のシャツを着ていただけ。
けれど、心が楽になって、安らぎを感じた人がいた。


そのことを、この2週間くらいずっと考えていた。
たとえ、一生懸命に打ち込んだものが大成しなくても、
たとえヒトカドの人物になれなかったとしても、
キレイなものを着て、キレイな言葉を使って、
キレイな振る舞いをして、
何か自分が好きで打ち込んだ結果として、何らかのキレイなものを、
世界に残せたら、それでいいなと思った。

生き急ぎは死に急ぎ。
世界や周囲に大絶賛されなくても、
通りすがりの縁ある人たちに、安らぎを提供することができるなら、
それは幸せだと思う。
そのことを、ついつい他人と比較して浮き沈みしてしまう日々の中で、
いつでも覚えておきたいと思った。

ありがとう。
何でもいい。キレイなものが、世界を救いますように。
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ずっと何も書けなくて、ずっと何も話せなくて、
どこかにつかえていたものが、書けたことで晴れた気がした。
友人の、いつかの言葉に、感謝したいと思う。

ありがとう。
 
by KazuFromJP | 2012-10-23 11:18 | ただの写真。(カメラに感謝) | Comments(2)
いつの間にか秋になった。読んだ本の紹介をしたい。
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いつもながら、Amazonに寄稿したレビューをそのまま転載しておく。
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『信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学』
リチャード・ステンゲル・著


『 「溢れる愛によって行動した人物」・・・というイメージを覆された』

本書は、記者リチャード・ステンゲル氏が2年間に渡る取材から引き出したマンデラの言葉をもとに作られています。しかし聴き出されたマンデラの言葉以上に、マンデラと寝食を共にしたステンゲル氏の観察眼と、その事細かに写実的な描写が秀逸で、些細な日常のエピソードを通して、ネルソン・マンデラという人物がいきいきと語られていきます。

マンデラの表向きの強さに隠された無垢な弱さと、それに日々打ち克ってゆくマンデラの本当の強さが淡々と、時に臨場感を持って描かれています。意外とチャーミングで、几帳面で、ときにズボラで、臆病で、そして策士で、何より強い克己心を備えた彼を、まるで同じ時と空間の中で、感じているかのように思えました。

マンデラの強い克己心が発揮されている場面では個人的に、『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)の実践書のような印象を受けました。徹底的に理性によって己を律し、強い信念・目的を果たすために全ての行動は存在し、己の感情を、望む結果を得る目的の前に平伏させることができる意志の力は、まさにコヴィー博士の言う「主体的な人物」の鏡だと感じました。

その一方で、マンデラの若い頃のエピソードや刑務所内での経験談は、やんちゃなマンデラの行動とそれによって得られた思わぬ収穫など、事態はシリアスであるのに、不思議と肩の力が抜けてほっこりさせられます。一冊の本として、その辺りのバランスも美しいなと思いました。

私はマンデラのことは教科書で習い、2010年に公開された映画『インビクタス』を観て、「溢れる愛の実践者」かつそれを実行する「策士」のイメージを持っていました。

が、本書を読んで、「愛」より何より第一に、「自分の信念」を貫く、その目的の為に、強く見られる為の行動もする、親しみを抱いてもらえるような行動も選ぶ、強靭な意志の持ち主、というイメージに変わりました。

些細なことですぐに感情的になってしまう凡人な私ですが、本当に得たい結果のために、感情を服従させる勇気を私なりに、日々些細な瞬間の中で育てていこうと思えました。

本書は何か、成し得たい志を抱いている全ての人へ、応援の書、勇気の書となるだろうと感じました。マンデラという人物の深い世界を掘り下げて見せてくれた執筆者のステンゲル氏の、強い志と対話力、そして巧みな筆力に、深く感謝したいと思います。
by KazuFromJP | 2012-10-08 22:56 | 本に感謝の日 | Comments(0)