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2012年の漫画大賞を獲ったこの漫画の、最新刊が発売された。
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銀の匙3巻
荒川弘・著


で、とりあえずまた最近のマイブームで、
Amazonレビューが楽しいので早速そこに書いたやつを貼り付けておく。
(早くも「参考にならなかった」票が結構入ってきているのがまたよい)


以下、Amazonレビュー貼り付け
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『自分が避けてきた道を、切なくも清々しくなぞってくれる。』

自分が人生の中で、毎日のように食べてきた豚肉や牛肉が、どのように生まれ、育てられ、「と殺」され、丼の上にのるのか。事務的な知識だけを頭に入れただけで、ずっとリアルな描写を知ることを避けてきたように思う。怖かったけれど本当は、その問題を、真面目に直視したいと思う自分もいた。

そのリアルな家畜の生涯(?)を、都会の進学校から田舎の超実践型農業高校に入学した八軒が、驚愕の事実に日々戸惑いつつ、将来を迷いながら、そして自分の内にある様々な怖れと戦いながらも実直に向き合ってゆく様子を、コミカルに小気味よく展開してゆく。

前巻から継続してきた夏休みの、八軒の人生初バイト(酪農家の手伝い)が終わり寮生活に戻る。生まれたての頃に八軒が名付けた可愛い子豚、「豚丼」が、ぶくぶくと正に「豚」になっていることに驚き、そして焦り、さらに増してこの「生命」と向き合っていく八軒の姿が、切なくも清々しく描かれている。

八軒が、今まで流されるように生きてきた自分に気づき、やがて出荷される運命にあるこの「豚丼」との関係の中で、次々と周囲を驚嘆させる決断をする。そして実直に行動していく様が、夏休み前の八軒とは違う、たくましい「男」を感じさせられた。

一巻から自分の家族との関係を頑なに避け続けてきた八軒の強固な心も、些細なきっかけからほんのりと、糸がゆるむような兆しも垣間見えた。

人生初バイト、驚きの毎日、自分のミスによる雇用主の損失に重責を感じて落胆。そんな八軒の日々は個人的に、若い時分の似た経験と重なって懐かしく思えた。給料が渡された後、バイト先、アキのおばあちゃんの言葉が心に刺さる。「苦労して、苦い思いして手に入れた金だ。そうそう馬鹿な事に使おうとは思わんべ」 「馬鹿はろくでもないものに金を遣う。賢い奴は自分の成長のために遣う」 「金の遣い方で男の価値はわかるものさ」

八軒が苦い思いの末に得たバイト代を何に遣うのかも本巻の見処。

家畜との共生、自分の進路、家族との関係。あの頃、自分がきちんと向き合いたかったものと、今からでも、改めて向き合おうという勇気が湧いた気がする。自力では開けられなかった扉をやさしく、やわらかく押してくれた著者に、感謝したいと思った。
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ありがとう。
 
by KazuFromJP | 2012-04-18 13:40 | 本に感謝の日 | Comments(0)
この一週間くらい何が熱いかってロベルト・アサジオリという聞き慣れない人とその人の提唱したさらに聞き慣れぬサイコシンセシスというのが激しくやばいのだこれほんとに。
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だからとにかく、
今の僕に説明できるところだけでも書いておく。

世にある自己啓発系の本では、
「本当の自分」の声に耳を傾け、
内なるワクワクに従い行動せよ的なことをよく言われる。

それは素晴らしいと思うし、
僕も基本そんな風に生きてきた。
しかし、
サイコシンセシスで言うと「本当の自分」はそれじゃない。

      ◆

ロベルト・アサジオリさんは、
自己とは、一つのオーケストラのようなものだと言う。
オーケストラの中にはいろんな演奏者がいて、
そのいろんな演奏者がまたいろんな楽器を独自に演奏している。

具体的にそれを性格に置き換えていうと、
何かワクワクしたいことをやりたい自分もいれば、
今のまま変わりたくない自分もいる。
何か努力して成長することが好きな自分も入れば、
面倒くさくてゴロゴロしたい自分もいる。
そこにこんな自分じゃダメだ!って批判する自分もいるし、
ダメだ!って気づいて落ち込む自分もいる。
そんな時、いや、やっぱり俺はできるはずだ!
と自信や闘争心を持った自分もいる。
まあどっちでもいいじゃん、という冷めた自分もいる。

サイコシンセシスでは、それら全てを含めた自分を、
いわゆる「本当の自分」として捉える。
そしてその中にいる各演奏者(=各性格)のことを、
「サブパーソナリティ」と呼ぶ。

      ◆

頑張る自分も、批判する自分も、冷めた自分も、
その個々は「自分そのもの」ではなく、
あくまで自分の中に存在する構成要素の一つでしかない。

その考え方で言うと、
「何の努力もせずゴロゴロしてるなんて自分はダメな奴だ」
というのは、「自分そのもの」がダメなのではなく、
そういうサブパーソナリティが自分の中にいるだけに過ぎない。
そしてその瞬間自分は、
「批判屋パーソナリティ」と同一化していることになる。

同一化とは、オーケストラの中の特定の演奏者になりきっている状態。
そしてこの場合、いち演奏者(批判屋)から別の演奏者(落ち込み屋)へ
厳しい言動を行なっている。

      ◆

ではどうすればよいか。
それは、自分が指揮者の視点で常に
オーケストラをコントロールすることだとアサジオリさんは言う。
この指揮者にあたる人格のことを「パーソナルセルフ」という。

パーソナルセルフは、自分では楽器を演奏しない代わりに、
各演奏者の奏でる音(声・要求)を聴き、
それぞれの持ち味を引き出す役目を担う。

      ◆

ワクワクしている演奏者だけが自分ではない。
個性あふれる楽団の中には、
サボり屋や批判屋、落ち込み屋がいたって良い。
良くないのは、その個性的な音を排除しようとしたり、
そんな音など無いことにしてしまうこと。

指揮者に自分の存在を無視されてしまった演奏者たちは、
オーケストラの調和を乱し、不協和音を奏で始める。
でもそうなったときにはもう、指揮者の目からは、
暴走し始めた演奏者の存在が見えなくなっている。
それが、ユング心理学でいう「シャドウ」である。

      ◆

だから、無理に自分の中にいる気に入らない自分を
切り捨てようと思っても逆効果。
ならどうすればよいのか。

それは、そのサブパーソナリティの存在を認めること。
そういう声が、自分の中にあるのだと気づくこと。
「あ、自分は本当はサボりたいんだな」
「あ、いま落ち込んでクヨクヨしている自分がいるんだな」
「あ、クヨクヨしている自分を否定したい自分が今いるな」

そんな風にしてまず、
それぞれのサブパーソナリティの存在に気づくことで、
特定のサブパーソナリティと同一化してしまうのを防げる。
そして気づくことで自分は、指揮者として
「本当の自分」をトータルにコントロールしやすくなる。

      ◆

と、いうことらしい。
素晴らしいサイコシンセシス。
ありがとうロバート・アサジオリ。

そしてこれらは野口嘉則さんから紹介され学んだこと。
野口さんありがとうございます。
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by KazuFromJP | 2012-04-12 15:26 | 人間学実践塾・ユング心理学など | Comments(0)
ありがとう。
桜。日本。地球。
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人。青山靈園。
カメラ。月。
相棒。

子どもの頃は、桜なんて特別じゃなかった。
春にはパンジーが咲き、
チューリップが咲き、
いつの間にか夏になった。
桜もいつの間にか咲いていて、
いつの間にかまた「ふつうの木」になっていた。

大人になり、季節に立ち止まることの味わいを知った。
本当は、子どもの頃の方がそんな時間がたっぷりあったはずなのに。
自然に興味なんかなかった。

その反動か。
今は、流れる雲を眺めているだけで楽しい。
日曜の夜、ふと思い立って寒空の下、
青山靈園を歩いた。
満開の桜並木の中、
カメラと相棒の人形と、桜と十六夜の月と、
心ゆくまでひとり遊んだ。
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それを日本語では確かこう言う。

「自由」

ありがとう。
 
by KazuFromJP | 2012-04-10 14:56 | 自然に感謝の日 | Comments(0)
この時期になると毎年気づく。
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こんなにも、たくさんの桜の木を、日本人は各々の町に植えていたのかと。

花が咲くまで、それがサクラの木だとはなかなか意識しない。

中央道を走りながら東京の町を見下ろすと、
一週間前の町の色とは、明らかに異なる。

そしてきっと、あと10日もすればまたサクラは、
世間の表舞台から自ら降りてゆく。

華々しく、かつ、慎ましく。

それを、今年の僕はまた、
美しいと思った。

さくらさく
あぁさくらさく
さくらちる


ありがとう。
桜と日本人感謝の日。
by KazuFromJP | 2012-04-05 16:48 | 今日は感謝の日 | Comments(0)
気持ちいい。ちょー気持ちいい。
ああ空に浮かんで、
どこまでも行きたいなあ。大画面推奨。
※音量注意。

ただ7分間、ぼーっとしてしまう。
人生の内そんな時間があってもよいと思う。

ありがとう。
by KazuFromJP | 2012-04-02 14:06 | 自然に感謝の日 | Comments(0)
とある少女漫画のAmazonのレビューを目にして、
非常に興味を惹かれたので手に入れて読んでしまった。
それがこれだ。
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俺物語!! 1巻 (マーガレットコミックス)
アルコ・著  河原和音・原著


そして勢い余って自らAmazonレビューも書いたので
毎度の如く貼り付けておく。

今どきこんな実直でさわやかな少女漫画も珍しい。
深いストーリーではないが、
多くの人の目に触れて欲しいと思う。
大方のストーリーは上記リンク先を参照されたし。

(以下Amazonに書いたレビュー貼り付け)
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『優しくあるための勇気が湧く』

他のレビュアーさんのレビューを読んで惹かれたので、
読んでみました。
そして、引き込まれました。

物語に浸っているうちに自然と、
人に優しくする為の勇気が湧いてきました。

人は、拒否されることの怖れから、
優しくする為の勇気を持てずに、
無関心や悪者に留まってしまうように思います。
しかしこの世界の人物たち、とりわけ主人公の剛田は、
そんな選択肢を一切持たず、
気持ちいいくらいに常に一択、
「どうしたら相手が幸せか」ただそれだけです。

それでいて女心に鈍感な剛田が勘違いで突っ走りつつも、
心の内では繊細に戸惑っているギャップが
見事に描かれています。

表面上の会話はコメディタッチで進みながら、
会話の中に挟まれたモノローグでシリアスな内面を描き、
セリフと展開のリズムが非常に小気味良く、
登場人物たちの掛け合いが秀逸です。

ストーリーの大筋はラブコメでありつつも、
自分にとっては主人公剛田と友人砂川との
友情物語の印象も受けました。

今どきの高校生らしからぬ
ピュアで実直な登場人物たちの日常は、
痴漢を捕まえたり、川で溺れている子供を助けたり、
工事現場の鉄柱が倒れてきたりと、
現実ではあり得ないが漫画ではベタな事件の連続。

人間のリアルな汚さは完全に排除されていますが、
人の本質的な部分だけを切り出したらみんな、
この登場人物たちのようにピュアなものかもしれないなと思いました。

シンプルながらきれいなストーリー、
展開、魅力的なキャラクターと、
そして何より、少女漫画のキラキラした空気の中、
ギャグ漫画から抜け出してきたような、
丸の中に点だけの目をした主人公が
ちゃっかり溶け込んでいる画力にやられました。

マーガレットコミックスですが、
自分と同じ男性に広がる機会があればいいなと思いました。
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by KazuFromJP | 2012-04-01 23:57 | 本に感謝の日 | Comments(0)