カテゴリ:本に感謝の日( 25 )
岸見一郎先生の新刊『幸せになる勇気』が昨日発売された。今やミリオンセラーとなった『嫌われる勇気』は2年前、ほぼ1年近く毎日僕の通勤カバンに入っていて、たびたび僕を突き落とし、そして何度も、勇気づけてくれた本だった。
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岸見先生にはとにかく感謝の想いが溢れている。「感謝」とか言いつつも、我先にアマゾンにレビュー書いて目立ちたい欲と、わずかでも宣伝して岸見先生に貢献したい欲と、純粋に楽しみにしていた本を読み進めたい欲とが入り混じったカオスな状態でページをめくっていたら、何だかいつの間にか本書の中の論争に呑み込まれ、何だかよくわからない精神状態からふと脱した頃には、窓の外が明るくなっていた。

で、久しぶりにアマゾンにレビューを書いたのでここで同じものを紹介したい。
以下アマゾンに寄稿したレビュー貼り付け
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理論はわかった。けど、「実際どうなのよ?」というモヤモヤに、あの青年が勇敢に切り込んでくれる爽快感と、哲人に斬り落とされていく快い痛み。

ミリオンセラー『嫌われる勇気』の続編。であると同時に、岸見氏がこれまで出してきた数々の著書の、ベスト盤のような印象も受けた。

      ◆

教員になった青年が直面しているリアルな問題は、誰もがかつて経験したことあるであろう教室での出来事であり、それが読み手の過去の経験と結びつきやすく、情景が目に浮かぶ。そして語られる問題に対するアドラー的対処法とその観点は、相変わらず我々の常識をあっさり飛び越えて混乱させてくるわけだが、そこにあるのは快感の伴う混乱である。

例えば問題行動を起こした子どもに対する親や教師が取るべき行動。現代社会においては一般に、子どものとった反社会的行動に対して、叱責するのがその務めとされるだろう。が、アドラーは「裁判官の立場を放棄せよ」「叱責は暴力である」という。そして叱責という暴力を用いることで親や教師は子どもからの尊敬を失う。「叱責には子どもの為」という見せ掛けの目的の奥深くに、「子どもを自分の支配下に置くために自立を妨げたい」という目的があるという。この一見飛躍した論理の真相は、ぜひ本書にて。

      ◆

前作を読んで、一応基本的な岸見流アドラーの理論はわかったつもりでいる。前作を読んで、その時はとにかく衝撃を受けた。いやしかしそうは言っても―、

「こんな場合はどうなの?」
「こういうケースだと矛盾しないか?」
「やっぱり実社会で直面する問題に対して、万能の真理とは言えないないでしょ?」

というような、実生活に戻された我らの心に沈殿してゆくモヤモヤ成分。すごいことをあの本で教えられた気がするけれど、いろいろわかったつもりではいるけれど、実践となるとやっぱりもう少しヘルプが欲しい。そんな我らの前にあの青年が帰ってきて、

「その辺のところ、どうなのよ?」
と我らに代わって哲人に、ズバズバ切り込みを見せてくれる。

「そうそう、そこ、詳しく訊きたかったんだよ」
という絶妙なところに青年が、激しく思いの矢を打ち込む。

対して哲人相変わらず、サラリサラリと矢を交わし、その矢をバッサリ斬り落とす。切れ味鋭い哲人の言葉とその重さが響いてくる。一瞬青年の痛みを感じつつ、やがてじんわり、哲人(=岸見流アドラー)の優しさ温かさが、少し遅れて染み込んでくる。

これは前作『嫌われる勇気』に対する、壮大なQ&Aの物語であり、我々が日常で直面する具体的な場面を想定したガイドブックである。

      ◆

「勉強は子どもの課題である。子どもの課題に介入してはならない。ならば教育とはなんなのか?」

「すべての対人関係を横の関係にせよ。とは言っても、親子、上司部下、教師生徒の関係の中で、どうすればそれが実践できるというのか?」

「褒める行為は縦の関係を築くことになってしまうという。しかし実際には、褒めることでうまくいっているように見えるケースが溢れているじゃないか。そこは一体どうなのか?」

それらの答えがサラリ・グサリと語られた後で、具体的な場面を描いてテンポよく解説されていく。流れるような対話の中に呑み込まれ、同時に頭や心が揺さぶられ続けるこの様には、快痛な混乱という言葉がシックリくる。

前作『嫌われる勇気』でのキーワードが出てくるたびに、復習的に解説をさらっと入れてくれているので、今作からでも一応読み進めていける形にはなっている。しかしやはり前作を一読した上で本書に入ることで、理論の核心への理解も、物語全体を通じた面白みも、全く変わってくるだろうと感じた。

      ◆

岸見氏があとがきの中で、地図とコンパスという言葉を使われていたが、『嫌われる勇気』が地図だとすれば、『幸せになる勇気』はコンパスではないかという印象を持った。手にした2冊に勇気づけられながら、最初の一歩を踏み出して、その先何気ない歩みを続けていきたいと思った。本書を通じて繋がっている著者と読者たち、その共同体感覚から、まず思い描きながら。

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さて、ちっぽけな欲に駆り立てられた僕の行動、
夜更かし読書もレビューの寄稿も、
善でも悪でもなくただのふつうの人間の行動であり、
もう既に過去のこと。

問うべきは今から何をするか。
まあ落ち着いてゆっくり本を読み直そう。
の前に、仕事のために仮眠をとろう。

ありがとう。
『幸せになる勇気』感謝の日。
 



by KazuFromJP | 2016-02-27 06:12 | 本に感謝の日
嬉しい
花が見えるようになった
忙しい人の前には 
花は咲かない 
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(大野勝彦詩画集『はい、わかりました』)より

確かに、花にふと目が止まるときはいつも、 
焦りや雑多な日常から解放されてふっと、
スローテンポになった瞬間のような気がする。

45歳の時、トラクターに手を巻き込まれて
両手を失った大野勝彦さん。 
両手を失ったことで、 
見えるようになったものがたくさんあると言う。

以下本文より。
45歳まで、わたしは農業に携わりながら、 
たくさんの草花を見てきたはずでした。 

でも、気がつくと、花の記憶はほとんどありませんでした。 
「花を見た」という印象そのものが残っていないのです。 

ところが……いま立ち止まって、 
ゆっくりと花々に思いを馳せてみると、 
ひとつひとつが、 
わたしにそっと、 
話しかけてくれるのがわかるのです。
道ばたの花に足を止めながら、
自分の道を歩いていきたいと思った。

ありがとう。
「はい、わかりました」感謝の日。




by KazuFromJP | 2014-01-28 16:58 | 本に感謝の日
ようやくこの本を紹介できる心の状態になれた。
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「これでいい」と心から思える生き方
(サンマーク出版 野口嘉則・著)


マーク・ネポ先生の本のようにまた、
何度でも本文を引用して
ブログで紹介していきたい本との出会いだった。

とりあえずまだ公開されていないけれど、
Amazonに寄稿したレビューをそのまま紹介しておく。



【汝は汝の道を行け。人には勝手に言わせておけ】

ミリオンセラー「鏡の法則」の著者、野口嘉則氏による人生論。

ひとことで言い表すなら、
「どんな時でも自分が、自身の一番強い味方になる為の本」
である。

本書で紹介されているダンテの言葉のように、
「汝は汝の道を行け。人には勝手に言わせておけ」
という強い生き方を体現するための具体的手法を、
心理学マニアである野口氏が、先達の開いた難解な学術を引用し、
現代の我々をやさしくガイドしてくれる本である。

世間や社会や同僚や友人や家族らの意見・価値観に振り回されて、
結局自分がどう生きたいのかわからなくなっている人たち、
また、どう生きたいのかはわかっているのだが
自分の思いと、置かれた立場との狭間でなかなか、
活路を見いだせないでいる人などはきっと、
本書の中から心にヒットする箇所をいくつも得られるだろう。

しかし読み手側が、本書の内容を全て自分ごととして
受け止める覚悟をして読み進めなければ、
また、自身の生き方と周囲との関係で少しも
葛藤を抱えていないのであれば、
本書はただの「ふつうの良い話」が並んだ
コラム集で終わるに違いない。

読み手が自分の人生を振り返って、
自分にとってはあの体験がきっと、「去勢」であったなとか、
自分が大人になっても引きずっている「幼児決断」は、あれかなとか、
自分の育った家庭環境での「世代間境界」は恐らく―、
などと見つめ直すことで、読者の数だけ物語が広がっていく。
そういう本である。

「幸運を引き寄せる○つの法則!」
「○○だけで明日からあなたの人生が変わる!」
的な「シンプルな幸せ本」の長所短所を理解しながら読んできて、
もう一歩先の、少し専門的な話が知りたいと感じている人には
まさしく本書が適書になるかもしれない。

「読んだ9割が涙した!」などと謳われた野口氏の代表作、
「鏡の法則」のようなシンプルな感動は本書には皆無である上、
世間に溢れたハッピー法則本のような、
読者の承認欲求を満たして
気持ちよくさせてくれるようなメッセージも少ない。
そして専門書のようにかっちりと
索引で当たれるようにまとまっているわけでもない。

以上の理由から、読書慣れしていない人にとっては
読み進めるのが少し辛いかもしれない。
そんな人にはまず『鏡の法則』(総合法令出版)、
次に『3つの真実』(ビジネス社)をオススメしたい。
本書はそのあとでもいいと思う。

ただ、本書で紹介されていた、野口氏が若かりし頃に、
自分自身の為に書いたという詩には個人的に感動した。

きっとイケイケドンドンな売れっ子編集者が本書を手がけたなら、
大筋のエッセンスだけ抽出して、暗中模索し光を求めている人々に
成功者からのキラキラしたメッセージで呼びかけるスタイルで
ベストセラーを狙っただろう。

しかし本書のスタイルは地味で渋い。
先達からの引用であることをくどいほどにアピールしている本文や、
読者に媚びない地味なスタイルは、
ミリオンセラーがアクシデントだったと語った著者の、
ブログやフェイスブックでの文体そのものである。
キラキラハッピー本にアレンジせず
シンプルな装丁で仕上げた編集者に共感し、強く好感が持てた。
ただ表紙に飾られたコンパスだけが、渋い光を放っている。

本書が、出会うべくして人の手に届いてゆくことを切に願う。
巻末に紹介されている、著者の言う「良書」を順に手に取りながら、
自分にとっての先達である著者が学んだ軌跡を
追いかけていきたいと思った。
「生き方」という道をかつて拓いてきたすべての先達に感謝したい。

ありがとう。
今日は「これでいい」と心から思える生き方感謝の日。
ありがとう。素晴らしきこの世界。
今日も40点。
そう。これでいい。
by KazuFromJP | 2013-11-09 14:29 | 本に感謝の日
世界的ベストセラー、『スティーブジョブズ』のコミカライズが出た。
紹介したい。
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『スティーブ・ジョブズ1巻』
(ヤマザキマリ著・ウォルターアイザックソン原著) 


激しく感動するところや大笑いするようなところはなく、
原作に忠実な「伝記」といった印象。
しかしヤマザキ氏が描いてくれてよかったなと思った。
以下Amazonに書いたレビュー貼り付け。


『原作に忠実ながら、時折のぞく遊び心。そしてシュールな後ろ姿』

原作に忠実な構成で物語は進んでいく。
1巻では幼少期から大学中退し、
アタリ社入社、そしてインド放浪まで。

     ◆

ジョブズの後日談をときおり挟んでいながらも、
主人公ジョブズの破天荒な行動・言動の深い意味は、
読者にあまりハッキリと明示されず、
読み手に解釈を委ねている場面が多いと感じた。

ヤマザキ氏の前作『テルマエ・ロマエ』では
主人公のコミカルなモノローグが秀逸であったが、
それと対照的に、
読者をも近づけないジョブズの心に対して孤独感を抱かされた。

その先のストーリーや未来をある程度知ってはいても、
凡人の自分には彼の行動の意味が深いレベルで理解できない。
そんな何を考えているかわからない人物が放つ一言と、
そのシュールな後ろ姿の描写がヤマザキ氏は巧みだと思う。
ジョブズと似た匂いの「天才」が読めば、
どこか共感できるのだろう(たぶん)と、
そういった意味で秀逸な作品であると感じた。

      ◆

また、若気の至りと言えども、犯罪行為も淡々と描写されながら、
ジョブズが必要以上にカッコよく描かれていないところにも好感が持てる。

巻末「あとがきにかえて」という
ヤマザキマリ氏のインタビューでも語られていたが、
ジョブズには「惚れない」し、「お嫁さんにもなりたくない」し、
「一緒に働くのも無理(笑)」。
しかし「つくづく不思議な人」というヤマザキ氏の印象がそのまま、
作品に表現されているようにも感じた。

      ◆

「ポールさん(ジョブズの父親)はモンスターペアレントの先駆けか…?」
など、各話末に挿入されたオリジナルの一コマに、
ヤマザキ氏の遊び心が込められニヤリとさせられた。

ひとつ欲を言わせてもらうなら、
ジョブズのファンや原作への敬意からか、
全体を通してシンプルで注釈も少なく、
それゆえに理解しづらい箇所があった。
HP社の「探求クラブ」が子供向けのクラブだったことや、
アタリ社の「アルコーン」が副社長だったことなど
一言添えておいてあれば、理解がよりスムーズだったと思う。

      ◆

本作品が手軽に読める、漫画の形にしてくれたことを、
ヤマザキ氏、企画を持ちかけた担当の方など
関わった皆様に感謝したいと思う。
次巻にも期待したい。

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コミック スティーブ・ジョブズ感謝の日。
by KazuFromJP | 2013-08-12 15:57 | 本に感謝の日
毎年秋には一つの楽しみがある。
僕の大好きな漫画の一つ、「リアル」の新刊が、
毎年秋に1巻ずつ出ている。

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リアル12巻 井上雄彦・著


第一巻の発売が2001年なので、
不定期の連載はもう11年経つけれど、
ようやく12巻目というスローペース。
しかしその分、世にあふれる週刊連載の漫画よりずっと、
一つ一つの描写や登場人物の心模様が
丁寧に作りあげられている稀有な作品。

無駄に冗長的なコマがなく、
ひとつひとつの描写は丁寧なのに、
ストーリーは間延びせずテンポよく展開していく。

ぜひ多くの人の目に留まって欲しいので
Amazonにレビューを書いた。
そのコピーを貼り付けここでも紹介させてもらう。
(以下Amazonレビュー貼り付け)


【 障害者とか、車イスバスケとかじゃなくて、ただ「変わりたい」「変わろう」と思う全ての人へ 】

車イスバスケに携わる若者たちを中心に、彼らに関わる家族や友人たちに突きつけられたリアルを生々しくカッコよく描いてゆく爽やかな青春(?)物語の第12巻。ここ数年は毎年秋に1巻ずつ出るペースで、今巻も前巻から1年振りとなる新刊。

今巻では、前巻までにあった個々の流れに対して、新たな変化・転機となる出来事が各々丁寧に描かれている。「変わる」「変わりたい」というテーマが見えた気がした。

前巻で、初めて競技用の車イスに乗って、「本当の顔」を取り戻した高橋が、一度は崩壊した家族と和解してゆく姿。タイガースではチームのメンバーとうまくやれるようになっていた戸川が、参加した外部の合宿にて、メンバーと衝突し、再び孤立する姿。

車イスバスケを初めて1ヶ月、タイガースに馴染み始めたリョウが、前巻でふいに現れたハラさんのスパルタ特訓を乗り越え、合宿を通して自分の居場所を見つけ、心身に急成長を遂げてゆく姿。

そして1巻からずっと、戸川に寄り添ってきた主要人物でありながら、ほとんどその内面が描かれてこなかった安積の、心の動きと、改めて過去の自分と向き合い、変わろうと動き出す姿が描かれていて、障害者に寄り添う人たちも、個々の人生では主役なのだと改めて感じさせられた。

さらに、タイガース創始者のあの人の影が久しぶりに差し、戸川本人と共に、読者である自分も胸を熱くさせられた。

この爽やかな青春漫画は、車イスバスケとか障害と向き合うとかそういったテーマを超えて、障害のあるなし関係なく皆同様に各々の立場・環境で抱く、「変わりたい」という想いを後押ししてくれる、そんな全ての人への、自己啓発漫画になるだろうと感じた。

いつもその自分なりの一歩に、勇気を与えてくれる本作品と作者に、改めて感謝したい。


by KazuFromJP | 2012-11-24 07:58 | 本に感謝の日
友人の育子さんが、自身のブログに一篇の詩を書かれていた。勝手に紹介させてもらうことにする。
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『garden』

私は 私の庭を愛する

私は 私の庭を耕し 育てる 


「ラッキーソウルのブログ」より


たった2行の短い詩だったけれど僕にとって、
大切なことを思い出すきっかけになった。

4年前に読み込んでいたロビン・シャーマの本に、
セルフマネジメントの極意を凝縮した寓話が出てきた。
その中で「庭」とは、「心」のシンボルであり、
心を耕すことで、やがてキレイな花が咲く
というようなことが書かれていた。

以下適当に抜粋引用。


「豊かで肥沃な庭園のように、心の手入れをして、はぐくみ、耕せば、予想をはるかに超える花が咲く。でも、雑草がはびこるにまかせておけば、長続きする心の安らぎも、内なる深い調和も、必ず逃げてしまう」

「いい庭師は、誇り高い兵士のように自分の庭を守って、決して汚染物質が入り込まないようにしている。でもほとんどの人は毎日心の庭に、心配や懸念、過去へのいらだち、未来への憂鬱という有害な廃棄物を入れている」

「毎日10分でもいいから時間をとって、自分が今どこにいるのか、そしてどこへ向かっているのか、考えることに集中すること。そんな時間がないという人は、走るのに忙しすぎてガソリンを入れる時間がないと言っているようなものだ」

「他人よりすぐれているのは、さして気高いことではない。真の気高さは、かつての自分よりすぐれていることにある。他人に何と言われようと、自分なりのレースを走ることが、自分にふさわしい人生を送ることにつながる」

『心のカップを空にせよ』(ロビン・シャーマ著)より抜粋引用)


そんなこんなが、育子さんの二行詩に凝縮しているように
僕には感じられた。

自分の庭は自分でしか手入れできない。
自分の庭を、他人の庭と比較しても何にもならない。
自分の庭の状態を常に知り、
どんな庭園を作りたいのかイメージして日々耕していくことで、
とらわれのないありのままの心を保ち、
自分らしい人生を築いていけるのだといま改めて、
振り返ることができた。

そう。だから今日も、

私は 私の庭を愛する
私は 私の庭を耕し 育てる

ありがとう。
育子さん、ロビン・シャーマさん。
僕にとって、大切なことを。
by KazuFromJP | 2012-11-03 08:15 | 本に感謝の日
もしあなたが 誰かに期待した
ほほえみが得られなかったら
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不愉快になる代わりに
あなたの方から 
ほほえみかけて ごらんなさい

ほほえみを忘れた人ほど
それを必要とする人は
いないのだから

『ロバート・バー「ほほえみ」より』


本屋さんに立ち寄るたびにずっと気になっていた本、
「置かれた場所で咲きなさい」をようやく手にし、
読み始めた。
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置かれた場所で咲きなさい(渡辺和子・著)


タイトルを読むだけで満足していたけれど、
ページをめくっていくと想像以上に著者の世界が強く優しく、
拡がっていた。

85歳の渡辺和子さんが書かれたこの本、
いま、とても大好きな本。

冒頭の詩は、渡辺さんが30代の頃に出合い、
それまでの自分の心と笑顔の関係に、
大きな転換をもたらされたと
本書の中で紹介されていた。

「ほほえみを忘れた人ほど、それを必要とする人はいない」
いま、僕の心にも深く刻まれた。

笑顔の素敵な人のそばにいたい。
そうじゃない人は気が合わない人だから距離を置こうと、
思ってしまいがちになる日々。
その瞬間、ひと呼吸して立ち止まって、
この言葉を、思い出す余裕をいつでも持っていたいと思った。

ありがとう。
「置かれた場所で咲きなさい」に感謝の日。
by KazuFromJP | 2012-10-26 14:08 | 本に感謝の日
いつの間にか秋になった。読んだ本の紹介をしたい。
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いつもながら、Amazonに寄稿したレビューをそのまま転載しておく。
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『信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学』
リチャード・ステンゲル・著


『 「溢れる愛によって行動した人物」・・・というイメージを覆された』

本書は、記者リチャード・ステンゲル氏が2年間に渡る取材から引き出したマンデラの言葉をもとに作られています。しかし聴き出されたマンデラの言葉以上に、マンデラと寝食を共にしたステンゲル氏の観察眼と、その事細かに写実的な描写が秀逸で、些細な日常のエピソードを通して、ネルソン・マンデラという人物がいきいきと語られていきます。

マンデラの表向きの強さに隠された無垢な弱さと、それに日々打ち克ってゆくマンデラの本当の強さが淡々と、時に臨場感を持って描かれています。意外とチャーミングで、几帳面で、ときにズボラで、臆病で、そして策士で、何より強い克己心を備えた彼を、まるで同じ時と空間の中で、感じているかのように思えました。

マンデラの強い克己心が発揮されている場面では個人的に、『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)の実践書のような印象を受けました。徹底的に理性によって己を律し、強い信念・目的を果たすために全ての行動は存在し、己の感情を、望む結果を得る目的の前に平伏させることができる意志の力は、まさにコヴィー博士の言う「主体的な人物」の鏡だと感じました。

その一方で、マンデラの若い頃のエピソードや刑務所内での経験談は、やんちゃなマンデラの行動とそれによって得られた思わぬ収穫など、事態はシリアスであるのに、不思議と肩の力が抜けてほっこりさせられます。一冊の本として、その辺りのバランスも美しいなと思いました。

私はマンデラのことは教科書で習い、2010年に公開された映画『インビクタス』を観て、「溢れる愛の実践者」かつそれを実行する「策士」のイメージを持っていました。

が、本書を読んで、「愛」より何より第一に、「自分の信念」を貫く、その目的の為に、強く見られる為の行動もする、親しみを抱いてもらえるような行動も選ぶ、強靭な意志の持ち主、というイメージに変わりました。

些細なことですぐに感情的になってしまう凡人な私ですが、本当に得たい結果のために、感情を服従させる勇気を私なりに、日々些細な瞬間の中で育てていこうと思えました。

本書は何か、成し得たい志を抱いている全ての人へ、応援の書、勇気の書となるだろうと感じました。マンデラという人物の深い世界を掘り下げて見せてくれた執筆者のステンゲル氏の、強い志と対話力、そして巧みな筆力に、深く感謝したいと思います。
by KazuFromJP | 2012-10-08 22:56 | 本に感謝の日
2012年の漫画大賞を獲ったこの漫画の、最新刊が発売された。
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銀の匙3巻
荒川弘・著


で、とりあえずまた最近のマイブームで、
Amazonレビューが楽しいので早速そこに書いたやつを貼り付けておく。
(早くも「参考にならなかった」票が結構入ってきているのがまたよい)


以下、Amazonレビュー貼り付け
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『自分が避けてきた道を、切なくも清々しくなぞってくれる。』

自分が人生の中で、毎日のように食べてきた豚肉や牛肉が、どのように生まれ、育てられ、「と殺」され、丼の上にのるのか。事務的な知識だけを頭に入れただけで、ずっとリアルな描写を知ることを避けてきたように思う。怖かったけれど本当は、その問題を、真面目に直視したいと思う自分もいた。

そのリアルな家畜の生涯(?)を、都会の進学校から田舎の超実践型農業高校に入学した八軒が、驚愕の事実に日々戸惑いつつ、将来を迷いながら、そして自分の内にある様々な怖れと戦いながらも実直に向き合ってゆく様子を、コミカルに小気味よく展開してゆく。

前巻から継続してきた夏休みの、八軒の人生初バイト(酪農家の手伝い)が終わり寮生活に戻る。生まれたての頃に八軒が名付けた可愛い子豚、「豚丼」が、ぶくぶくと正に「豚」になっていることに驚き、そして焦り、さらに増してこの「生命」と向き合っていく八軒の姿が、切なくも清々しく描かれている。

八軒が、今まで流されるように生きてきた自分に気づき、やがて出荷される運命にあるこの「豚丼」との関係の中で、次々と周囲を驚嘆させる決断をする。そして実直に行動していく様が、夏休み前の八軒とは違う、たくましい「男」を感じさせられた。

一巻から自分の家族との関係を頑なに避け続けてきた八軒の強固な心も、些細なきっかけからほんのりと、糸がゆるむような兆しも垣間見えた。

人生初バイト、驚きの毎日、自分のミスによる雇用主の損失に重責を感じて落胆。そんな八軒の日々は個人的に、若い時分の似た経験と重なって懐かしく思えた。給料が渡された後、バイト先、アキのおばあちゃんの言葉が心に刺さる。「苦労して、苦い思いして手に入れた金だ。そうそう馬鹿な事に使おうとは思わんべ」 「馬鹿はろくでもないものに金を遣う。賢い奴は自分の成長のために遣う」 「金の遣い方で男の価値はわかるものさ」

八軒が苦い思いの末に得たバイト代を何に遣うのかも本巻の見処。

家畜との共生、自分の進路、家族との関係。あの頃、自分がきちんと向き合いたかったものと、今からでも、改めて向き合おうという勇気が湧いた気がする。自力では開けられなかった扉をやさしく、やわらかく押してくれた著者に、感謝したいと思った。
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ありがとう。
 
by KazuFromJP | 2012-04-18 13:40 | 本に感謝の日
とある少女漫画のAmazonのレビューを目にして、
非常に興味を惹かれたので手に入れて読んでしまった。
それがこれだ。
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俺物語!! 1巻 (マーガレットコミックス)
アルコ・著  河原和音・原著


そして勢い余って自らAmazonレビューも書いたので
毎度の如く貼り付けておく。

今どきこんな実直でさわやかな少女漫画も珍しい。
深いストーリーではないが、
多くの人の目に触れて欲しいと思う。
大方のストーリーは上記リンク先を参照されたし。

(以下Amazonに書いたレビュー貼り付け)
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『優しくあるための勇気が湧く』

他のレビュアーさんのレビューを読んで惹かれたので、
読んでみました。
そして、引き込まれました。

物語に浸っているうちに自然と、
人に優しくする為の勇気が湧いてきました。

人は、拒否されることの怖れから、
優しくする為の勇気を持てずに、
無関心や悪者に留まってしまうように思います。
しかしこの世界の人物たち、とりわけ主人公の剛田は、
そんな選択肢を一切持たず、
気持ちいいくらいに常に一択、
「どうしたら相手が幸せか」ただそれだけです。

それでいて女心に鈍感な剛田が勘違いで突っ走りつつも、
心の内では繊細に戸惑っているギャップが
見事に描かれています。

表面上の会話はコメディタッチで進みながら、
会話の中に挟まれたモノローグでシリアスな内面を描き、
セリフと展開のリズムが非常に小気味良く、
登場人物たちの掛け合いが秀逸です。

ストーリーの大筋はラブコメでありつつも、
自分にとっては主人公剛田と友人砂川との
友情物語の印象も受けました。

今どきの高校生らしからぬ
ピュアで実直な登場人物たちの日常は、
痴漢を捕まえたり、川で溺れている子供を助けたり、
工事現場の鉄柱が倒れてきたりと、
現実ではあり得ないが漫画ではベタな事件の連続。

人間のリアルな汚さは完全に排除されていますが、
人の本質的な部分だけを切り出したらみんな、
この登場人物たちのようにピュアなものかもしれないなと思いました。

シンプルながらきれいなストーリー、
展開、魅力的なキャラクターと、
そして何より、少女漫画のキラキラした空気の中、
ギャグ漫画から抜け出してきたような、
丸の中に点だけの目をした主人公が
ちゃっかり溶け込んでいる画力にやられました。

マーガレットコミックスですが、
自分と同じ男性に広がる機会があればいいなと思いました。
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by KazuFromJP | 2012-04-01 23:57 | 本に感謝の日