キレイが世界を救いますように
「カズは、調子がいい時より、何か思い悩んでる時に、
内から出てくるカズの言葉の方が、俺は好きだよ」
以前、歳の離れた友人に言われたその言葉を、
たびたび思い出して、反芻する。
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僕の大切な人の息子さんが、先月亡くなったと聞いた。

自殺だった。
その方は何も話さなかったけれど、
最近何となく元気がないなと感じていた。

話は、奥様から話された。
何の前触れもなく、ふとした時に、唐突に。
奥様は、ひどくご自身を責められていた。
僕はただただ、その重くて痛い言葉を、
一つ、ひとつ、うなずき、受け止めていた。

どれくらいの時間が経ったのか、
奥様の内からとめどなく溢れ出てくる言葉を涙とともに流しきったあと、
初めて僕の目を見て、言葉を発された。

「ありがとう。付き合ってくれて。
少しだけ、楽になったわ」

そのときの僕の心の中は、いろんなことが急に起こったので
よくわからないじょうたいになっていた。
けれど、なんだか、よかったなと思えた。

続けて奥様が言われた。

「あなたのそのシャツの色、とってもキレイな色ね。
青じゃなくてグリーンのような、キレイなブルー。
私好きだわ。キレイな色を見ると、心がとっても安らぐの」

その日の僕は、
特に何も言わず、ただうなずいていただけ。
何の意図もなく、ただその色のシャツを着ていただけ。
けれど、心が楽になって、安らぎを感じた人がいた。


そのことを、この2週間くらいずっと考えていた。
たとえ、一生懸命に打ち込んだものが大成しなくても、
たとえヒトカドの人物になれなかったとしても、
キレイなものを着て、キレイな言葉を使って、
キレイな振る舞いをして、
何か自分が好きで打ち込んだ結果として、何らかのキレイなものを、
世界に残せたら、それでいいなと思った。

生き急ぎは死に急ぎ。
世界や周囲に大絶賛されなくても、
通りすがりの縁ある人たちに、安らぎを提供することができるなら、
それは幸せだと思う。
そのことを、ついつい他人と比較して浮き沈みしてしまう日々の中で、
いつでも覚えておきたいと思った。

ありがとう。
何でもいい。キレイなものが、世界を救いますように。
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ずっと何も書けなくて、ずっと何も話せなくて、
どこかにつかえていたものが、書けたことで晴れた気がした。
友人の、いつかの言葉に、感謝したいと思う。

ありがとう。
 
by KazuFromJP | 2012-10-23 11:18 | ただの写真。(カメラに感謝) | Comments(2)
Commented at 2012-10-31 22:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by KazuFromJP at 2012-11-01 17:15
読んでくれてありがとう。返事は別ルートにて。
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